2026年10月13日

中学受験の「すべて選びなさい」が苦手な子へ|選択肢を1つずつ○×で判定する解き方と、理科・社会のテスト直し

返ってきた理科や社会の答案を見ると、「1つ選びなさい」の問題は取れているのに、「あてはまるものをすべて選びなさい」になると空欄、または1つだけ書いて×。家で選択肢を1つずつ聞いてみると、だいたい分かっている。知識はあるのに点になっていない。こういう答案に心当たりのあるご家庭は多いと思います。

この記事では、「すべて選ぶ」問題で手が止まる理由を整理し、選択肢を1つずつ判定する解き方、家庭でできる練習、テスト直しのやり方をまとめます。ここで書く手順は家庭で試せる一例です。塾で解き方の指導を受けている場合は、そちらを優先してください。

「すべて選ぶ」は、珍しい形式ではない

個別指導塾TESTEAは、国語の選択肢問題について、近年は答えがひとつだけとは限らず、「すべて選びなさい」という設問も少なくない、と書いています(出典)。理科や社会のテストでも、「正しいものをすべて選び、記号で答えなさい」という形の設問は見かけます。

1問ごとの配点は小さくても、出てくるたびに落としていると積み重なります。苦手な形式として、早めに手順を決めておきたいところです。

なぜ「すべて選ぶ」になると手が止まるのか

答案と、解いているときの様子を見ていると、止まる理由は大きく3つあるように思います。

  1. 答えの個数が分からない: 1つ選ぶ問題なら「これだ」と思った時点で終われます。すべて選ぶ問題は、いくつ選べば終わりなのかが分からず、いつまでも確信が持てません
  2. 消去法が使えない: 1つ選ぶ問題では、分からない選択肢があっても、ほかを消して残ったものを答えにできます。すべて選ぶ問題では、分からない選択肢が1つあるだけで答えが決まりません
  3. 設問の条件を読み落とす: 「すべて」を読み飛ばして、いつもどおり1つだけ選んでしまう

1と2は「どう解けばよいかの手順が決まっていない」こと、3は「読み方の習慣」の問題です。どちらも、知識を増やす勉強とは別の練習で減らしていける部分です。

なお、TESTEAの記事は、国語については消去法だけに頼るのは危険だとも指摘しています(出典)。残ったものを選ぶ解き方に慣れている子ほど、すべて選ぶ問題で困りやすいのかもしれません。

解き方: 選択肢の数だけ「○×問題」があると考える

すべて選ぶ問題は、「選択肢が5つなら、○×問題が5問ある」と読み替えると、手順がはっきりします。

  1. 設問の「すべて」に丸を付ける
  2. 選択肢を上から順に1つずつ読み、横に○・×・?のどれかを書く
  3. ?が付いた選択肢は、どの言葉が怪しいのかに下線を引いて、もう一度だけ考える
  4. ○が付いた記号を、全部答えの欄に書く。いくつになったかは気にしない

選択肢に印を書き込む方法は、塾の講師も紹介しています。受験Dr.の国語の講師は、選択肢を全文で正誤判断するのではなく、スラッシュで区切ったパーツごとに○×を付ける方法を挙げ、記号選択問題は基本的には「間違い探しゲーム」だと書いています(出典)。TESTEAの記事も、選択肢を文節で分け、横に○×を書き込んで一つひとつ照合する方法を挙げています(出典)。

どちらも国語の読解について書かれたものですが、選択肢を「まるごと」ではなく部分ごとに確かめる、という考え方は、理科や社会の正誤問題にも当てはめられます。理科・社会の選択肢なら、数字、地名や人名、時代、「AだからB」の原因と結果の向き、といった部分に区切って確かめると、どこが怪しいのかを言いやすくなります。

?が残ったままでも、空欄にはしない

?が消えないときは、○と判定できた記号だけでも書きます。空欄のままでは点になりません。完答でないと点にならないのか、部分点があるのかはテストによって違うので、気になる場合は塾の先生に確認してください。迷った問題は一応の答えを書いて先へ進む、という時間配分の考え方はテストの後半が白紙になる子への対処の記事にまとめています。

設問の条件に印を付ける

3つ目の理由、条件の読み落としには、印を付ける習慣で対応します。設問を読んだら、選択肢に進む前に次の言葉に丸を付けます。

  • 「すべて」「2つ」などの個数
  • 「正しいもの」「誤っているもの」「あてはまらないもの」などの向き
  • 「記号で」「番号で」などの答え方

答えを書く直前に、もう一度その丸を見ます。TESTEAの記事にも、設問を読んですぐ選択肢に飛びつかない、という項目があります(出典)。

読み落としは、本人に聞くと「分かっていたのに」と言うことが多く、注意するだけでは減りにくい×です。「気をつけて」と言うより、「丸を付けたか」を見るほうが、親も確認しやすくなります。

家庭でできる3つの練習

1日1〜2問で足ります。新しい問題集を用意する必要はなく、宿題やテストに出てきた選択問題を使います。

1. ふつうの選択問題を「全部の選択肢に○×」で解く

1つ選ぶ問題でも、正解の記号だけでなく、すべての選択肢に○×を書きます。これができれば、すべて選ぶ問題も同じ手順で解けます。

2. ×の選択肢を、正しい文に直す

×を付けた選択肢の「どこを直せば正しくなるか」を、口で言ってもらいます。「昼ではなく夜」「増えるではなく減る」のように一言で足ります。TESTEAの記事も、選択肢の正解・不正解の理由をしっかり考えることを勧めています(出典)。

3. 判定を声に出す

「アは○、イは×、理由は…」と声に出して解いてもらい、親は聞くだけにします。?で止まる選択肢が分かると、どの知識があいまいなのかが見えてきます。

テスト直しのやり方: ×を3つに分ける

テストが返ってきたら、すべて選ぶ問題の×を、次の3つに分けます。

  • 読み落とし: 1つだけ選んでいた、正しいものと誤っているものを逆に選んでいた。印を付ける習慣の練習に回します
  • 判定の誤り: 選んだ記号が多すぎた、または足りなかった。選択肢に○×を書き直し、判定を外した選択肢の知識だけをテキストで確かめます
  • 空欄: 手が止まった、時間が足りなかった。上の4つの手順を、時間を計らずにやり直します

直しのノートに、問題をまるごと写す必要はありません。判定を外した選択肢と、それを正しい文に直したものだけを書けば足ります。ノートの基本の形は間違いノートの作り方の記事に、用語そのものが出てこない場合の回し方は理科・社会の用語が覚えられない子への対処の記事にまとめています。

癖として見つける

「すべて選ぶ問題で手が止まる」は、1回のテストでは気づきにくく、何回分かの答案を並べてはじめて癖として見えてきます。とはいえ、何回分もの答案を親が見比べるのは手間です。

私自身、わが子の家庭学習の丸付けに追われた時期があり、その経験から塾サポを作りました。塾サポでは、宿題やテストをスマホで撮影すると採点され、結果画面で親が○×を確認して確定します。たまった間違いから、繰り返し出ている癖を見つけて「間違いの傾向(ベータ版)」として表示し、テスト当日の朝に読む1枚「直前チェック」にまとめます。「複数選択で手が止まる」のような傾向が、その子の答案をもとに出てきます。AIが見つけた傾向なので、合っていないこともあります。また、間違いがある程度たまってから表示される機能です。

間違えた問題があるページは元のプリントのまま集められ、解き直す問題に★の印が付いた解き直し問題集になります。この記事の「全部の選択肢に○×」の練習は、その問題集の選択問題でそのまま試せます。一方で、選択肢の判定の仕方を教えるところは塾サポの役目ではなく、親子と塾の先生の仕事として残ります。使い方は使い方ガイドをご覧ください。解き直しを習慣にするコツは解き直しが続かない理由と3つのコツの記事にあります。

塾サポは、登録だけでAI採点を3回お試しいただけます(カード不要)。続けるときはカードを登録して、はじめの7日間は無料です。


参考(出典)